| 指揮 | ルイ・フレモー |
| 演奏 | ロンドン交響楽団 |
| 録音 | 1989年1月 |
| カップリング | ラヴェル ボレロ 他 |
| 発売 | 新星堂(Collins) |
| CD番号 | SCO-014 |
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響きの締まったまとまりの良い演奏ながら、メロディーは意外なほど良く歌っています。 その歌わせ方は、印象派らしい曖昧さを感じさせるような気だるい歌わせ方ではなく、一つ一つ音に力を入れ、メロディーラインをしっかりと出した明確な歌わせ方です。 例えば「夜明け」の、低音から始まる下にもぐるようなゆったりとしたメロディーなんかも、もやもやとした中から少しずつ姿を現してくるのではなく、出てきた瞬間から、あ、ここからメロディーが登場するんだなとはっきりとわかります。 音にしっかりと力を入れているため、メロディーには強く感情が表れていて、訴えかけてくるものも大きいのですが、その反面、幻想的な雰囲気は少し薄めです。きっちりとテンポにのって歌われているため、1、2、3といった拍が明確に表れてきているのです。 「夜明け」はテンポがほとんど動かないため拍も一定で、そこがどうもダフニスとクローエのような神話的なものとは正反対な現代的な雰囲気に感じられます。反対に中間の「パントマイム」では適度にテンポが揺れることで、現代的な明確さが薄れ、ちょうど良い感じになっています。 「夜明け」「パントマイム」「全員の踊り」の三つの部分の中で、この「パントマイム」に最も魅力を感じました。 適度に伸び縮みするテンポに合わせて歌っているメロディーが、意思を持っているかのように自然に動いています。音のつながりが一本の線になり、それが流れに合わせて滑らかに動いてゆく様子は、まるで生き物を見ているような気がしてくるほどです。 伴奏も、メロディーにピタリとくっつき、メロディーを下から支えながらも、要所要所では、厚みのある響きでちゃんと存在感を示しています。 幻想的というか、なかなか想像力をかき立てられる演奏です。 一方、「全員の踊り」は、よく揃い、十分に力強くはあるのですが、まとまりが良すぎて、ちょっと地味に聞こえます。 いや、本当は、これ以上を望むのは過剰といってもおかしくないほど、真っ当な華やかさは十分に備えていると思います。しかし、この「全員の踊り」は、真っ当でない無茶な演奏が多いため、どうしてもインパクトでは負けてしまうのです。 正攻法であるが故に印象が薄れてしまったわけですが、これはどちらかというと演奏者の問題ではなく、聞き手であるわたしに問題がありますね。反省いたします。(2008/1/26) |