| 指揮 | カール・リヒター |
| 出演 | ソプラノ:グンドゥラ・ヤノヴィッツ アルト :クリスタ・ルートヴィヒ テノール:フリッツ・ヴンダーリヒ バス :フランツ・クラス |
| 演奏 | ミュンヘン・バッハ管弦楽団 ミュンヘン・バッハ合唱団 |
| 録音 | 1965年2月、3月、6月 |
| 販売 | POLYDOR(ARCHIV) |
| CD番号 | POCA-2013/5 |
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今回はバッハの4大宗教曲の中の一つのクリスマス・オラトリオです。 この曲は、良く知られていることなのですが、使われている曲のほとんどは、他の曲からの転用です。 わたしは、実はその中の一つとして聴いたことがないのですが、原曲を知っているともっと楽しめるらしいです。 もちろん、原曲を知らなくても十分に楽しめます。 また、この曲は大きく6部に分かれていて、それらは、12月25日から1月6日の間の特定の6日に演奏される目的で書かれているため、本来は全曲を通して一度に聴くことは無かったはずです。 そのため、それぞれの部分は独立しており、また構造的にも似ています。 そこで、忙しいときには、1部づつ分けて、日を改めて聴くのですが、違和感無く聴くことができます。 さて、これだけ長い曲なので聴き所もたくさんあり、わたしが好きな部分だけでも結構あるのですが、ここでは3曲に絞って紹介します。 まず1曲目は、第4部の4曲目のソプラノのアリアです。 これは「エコー・アリア」と呼ばれ、クリスマス・オラトリオの中でも最も有名な曲の一つです。 ソプラノとオーボエが表で交互にソロを演奏して行くのですが、舞台裏でもソプラノとオーボエが控えていて、表のソロに対して、木霊のように応答して行くのです。 そこが「エコー・アリア」と呼ばれる所以なのですが、二つのグループの差によって遠近感が生まれ、また、その中でソプラノとオーボエに分かれていることで、非常に立体感のある音楽になっています。 また、メロディーも美しく、エコーの効果をよりいっそう際立たせています。 2曲目は第6部の1曲目の合唱です。 この曲は、祝祭向けの曲が揃っているクリスマス・オラトリオの中でも、一段と祝祭向けの、明るくそして厳粛な雰囲気の曲です。 各部の1曲目は大規模な合唱向けの曲になっている場合が多いのですが、この曲はトランペットも入り、華やかさが倍増されています。 また、メロディーはポリフォニックに展開して行き、それがフォルテのままで進んでいくため、荘重な印象も与えています。 3曲目は第6部の最後の曲…すなわちクリスマス・オラトリオの最後の曲です。 形式的には、オーケストラの前奏に合唱のコラールが絡んでくるもので、有名な「主よ人の望みの喜びよ」と同じ形式です。 この、オーケストラの前奏部分がトランペットのソロがメインになっているのですが、このトランペットのソロが高音でかなり速いパッセージになっています。 このCDでそれを初めて聴いたとき、難易度の高さに驚き、また、それを楽々としかも感情を込めて吹いていることにさらに驚きました。 慌ててCDのジャケットを見ると「トランペット:モーリス・アンドレ」と書いてあります。 なるほど、と納得すると共に、改めてモーリス・アンドレの凄さに感服しました。 わたしは、これほどまでに輝かしい音色というのは聴いたことがありません。たしかに世界最高のトランペット奏者といわれても、不思議ではないです。 そして、この曲のもう一つの聴き所はコラールです。 この曲は、最初から最後まで明るくフォルテで貫かれていますが、合唱が歌うコラールは、実は「マタイ受難曲」にも出てくる「受難のコラール」です。 このクリスマス・オラトリオは、クリスマスともあるようにイエスが生まれたことがテーマですが、最後の最後に受難のコラールが演奏されることで、イエスがこの世に現れた意味を象徴的に表しており、曲調の明るさが、受難と救いと勝利を思い起こさせ、いろいろ考えさせられます。(2000/4/14) |