| 指揮 | コリン・デイヴィス |
| 出演 | ソプラノ:ヘザー・ハーパー アルト :ヘレン・ワッツ テナー :ジョン・ウェークフィールド バス :ジョン・シャーリー=クラーク |
| 演奏 | ロンドン交響楽団 ロンドン交響合唱団 |
| 録音 | 1966年6月 |
| 発売 | PHILIPS |
| CD番号 | 464 703-2 |
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コリン・デイヴィスのメサイアの録音は2008年8月現在で3種類あります。一つが以前に感想を書いたバイエルン放送響との1984年の録音(この感想を書いた当時は、この録音は廃盤になっていて、入手が非常に困難でしたが、幸いにも最近再販され、簡単に入手できるようになりました)、残り二つは両方ともロンドン響との録音で、古い方が1966年、新しい方は2006年に録音されたごく最近のものです。 今回取り上げるのは、二つのロンドン響との録音の古い方である1966年の録音です。バイエルン響との録音が再販される前、ロンドン響との新録音が出る前は、入手しやすさを考えると、コリン・デイヴィスのメサイアはこの旧録音一本しかありませんでした。 長らくコリン・デイヴィスの代表的なメサイアだったこの録音、後の二つと較べると、まさに原点にあたります。言い換えれば、この録音を基本形として、後の二つは、それを発展したものです。 例えば、コリン・デイヴィスのメサイアの特徴の一つである、第43曲の『The trumpet shall sound』などに出てくる、4拍目裏の8分音符のひっかけの部分を古楽器系の演奏のように16分音符に詰めたりとか、第22曲の『And with His stripes we are healed』をゆっくりとしたテンポで弱いピアノで始めたり、といった解釈は、1966年の旧録音から一貫して行なわれています。 しかし、その程度は後の録音の方がより極端に、つまりはっきりと表れて来ます。 旧録音は、後の録音ほど極端ではないにしても特徴が出ているというところが原点というわけです。 後の録音に特徴が明確に出ているということは、鋭く飛び出すものはあるものの、癖があるということでもあります。それに較べて旧録音は、型破りなところが無く、良い意味での中庸を保っています。形がしっかりと整い、安定しているのです。かといって決して平凡ではなく、内に充実しているため、むしろシンプルなのが良さであるプレーンオムレツのように、繰返し聞いても飽きることがありません。 さらに、響きの厚みという点でもこの録音が一番です。 オーケストラ自体は、後の録音も同じロンドン響とバイエルン放送響ですから、規模が小さいわけではないでしょう。おそらく参加人数を減らしているのではないでしょうか、響きの透明感は後の録音の方が上ですが、厚みと大きく関係してくる重量感と迫力はこの旧録音が最も出ていると思います。 ところで、新旧3つの録音の年代を見てあることに気づきました。 最初が1966年で次が1984年、最新が2006年ですから、考えてみればほぼ20年おきに録音していることになります。すると次は2026年頃……といきたいところがですが、デイヴィスは1927年生まれですから、2026年には99歳。さすがにそれは難しいでしょう。(2008/8/30) |