| 指揮 | ギュンター・ヘルビッヒ |
| 独奏 | ピアノ:ユッタ・チャプスキ |
| 演奏 | ベルリン交響楽団 |
| 録音 | 1985年頃 |
| カップリング | フランク 交響曲 他 |
| 発売 | edel |
| CD番号 | 0000942CCC |
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普通にやればごく当たり前のように良い曲でした。 作品自体に語らせれば、作品の良し悪しが自ずと見えてくるということを再認識しました。 実は、わたしはこの「交響的変奏曲」という曲が、今一つ好きではありませんでした。 以前取り上げた、メンゲルベルクやクリュイタンスのように、演奏が個性的であれば、そちらの面に注目して面白さを感じることができます。しかし、曲自体は、明快ではなくモワッとした感じがして、有体に言えば、少し退屈していました。 ところが、この演奏を聴くと、全く退屈ではないのです。 この演奏は、上記のメンゲルベルクやクリュイタンスのように強く個性が出ているわけではなく、特別変わったことは何もせず、素直に演奏しています。しかし、聴こえてくる音楽は表情豊かでとても面白く聴けます。 どうやら素直に演奏することが、逆に曲自体が持つ魅力を引き出しているようなのです。 もともと曲が好きではなかった事もあって、わたしはこの曲の演奏をそれほど多く聴いたことがあるわけではありませんが、一応、この演奏と上記の演奏の他に何種類か聴いています。しかし、それらの演奏ではこの演奏ほど曲の魅力が伝わってきませんでした。 では、この演奏と他の演奏はどこが違うのか。考えた結果、まず気が付いたのが丁寧に歌っている点です。 歌わせているといっても、過度に表情豊かにするのではなく、まず全体の響きがあり、その中のメロディーとして歌わせることで、ちょっとだけ際立たせているのです。これにより、全体としての統一感は保ちながら表情も豊かに感じられます。 さらに、独奏のピアノのですが、こちらも伴奏と同じように過度に歌いこみは避け、調和を大切にしながら歌っています。また、音色もなかなか素晴らしいものです。透明感のある音ですが、硬質ではなく、柔らかく暖かみのある音色です。アクセントなど、強く叩く部分でも、突き抜けず、伴奏との響きが大切にされています。 こういう演奏により、メロディーの面白さ、各変奏の性格、響きの変化などがよく伝わり、この曲はこれほど面白い曲だったのか、と再認識できました。 改めて、曲の魅力がわかってみると、面白いもので、これ以外の他の演奏も、それまで以上に魅力的に聞こえてきました。わたしにとって大きな助けとなり、その点でも感謝したい演奏です。(2011/7/9) |