| 指揮 | ニコライ・ゴロヴァーノフ |
| 独奏 | P:Alexander Goldenweizer |
| 演奏 | 全同盟ラジオ・テレビジョン大交響楽団 (モスクワ・チャイコフスキー交響楽団) 全同盟ラジオ・テレビジョン合唱団 |
| 録音 | 1946年 |
| カップリング | スクリャービン ピアノ協奏曲 他 |
| 発売 | boheme |
| CD番号 | CDBMR 908087 |
|
噴水並みに生命力が吹き出ている演奏です。 フォルテの部分はもちろんのこと、ピアノの部分でも常に音に力がみなぎっています。 ピアノだから音量は小さく抑えていますが、決して弱くはありません。ピアノだろうと何だろうとしっかりと力を入れて弾ききっています。おかげでメロディーははっきりと浮かび上がり、古い録音にもかかわらず、よく聞こえます。 実際、録音は決して良くはありません。 雑音こそあまり聞こえませんが、響きがほとんど入っておらず、おかげでスクリャービンの一番の特徴であるはずの神秘和音ももやもやと埋もれてしまい、あまりよくわかりません。これでピアノを弱く弾かれていたら、メロディーすら埋没してしまっていたかもしれません。 この録音の悪さを意識してかどうかはわかりませんが、リズムもかなり硬く輪郭を明確につけています。ティンパニーあたりは特に強めで、よく出てくる8分音符三つのリズムはアクセントが付いているようにはっきりと聞こえ、曲に切迫した緊張感をもたらしています。 ピアノですら十分に力強いのですから、フォルテに至ってはもう大噴火です。 ピアノから力がみなぎり、それがフォルテに向かってエネルギーをさらに高めていきます。 力の限り、弾き、吹き抜いているのです。しかも、もともと曲自体が、最高に盛り上がった部分でも、昔の曲のように協和音が堂々と登場するような曲ではないので、各楽器のフォルテが思いっきりぶつかり合い、半ばカオスの世界に入っています。 しかし、単にカオスで終わっているわけではありません。全ての楽器が対等にぶつかっているのではなく、そこには主役となる楽器があるからです。 それは、金管、なかでもトランペットです。 まさにロシアのイメージそのままのトランペットで、ギラギラとした音色でビブラートはたっぷり、登場した瞬間に主役の座を奪い取ります。 このトランペットが常に主役となることで、メロディーがくっきりと浮かび上がり、ひいては他の楽器の動きもはっきりとしてきます。さらには音楽の流れもわかりやすく明確になっています。 まあ、そういうメリットもありますが、あまりにもロシア丸出しの音色なので、登場した瞬間に、いかにもロシアでスクリャービンだという雰囲気が出てくる点も、個人的には大きなポイントだったりします。(2007/9/15) |