| 指揮 | マニュエル・ロザンタール |
| 演奏 | フランス国立放送管弦楽団 |
| 録音 | 1953年11月 |
| カップリング | R=コルサコフ 「金鶏」組曲 他 |
| 発売 | EMI(Capitol) |
| CD番号 | CDM 5 66829 2 |
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オーケストラの音色を生かしながら、ふんわりと軽くまとめています。 響きはいかにもフランスのオーケストラといったところでしょうか。薄く軽く、全体が同時に鳴る部分でも、サッと軽く掃いたように、まるで重さを感じません。冬の場面などはまさにこの薄い響きがピッタリ合っています。一つ一つ描写され、副題にもなっている「霜」や「霧」や「雪」といった空から降ってくる細かく小さいもののイメージ通り、風に乗ってフワフワと漂っているかのようです。 春以降でも、夏の「矢車菊とけし」といった小さいものをテーマにしている曲がありますし、四季全体の雰囲気としてもよく似合っています。 秋なんかの派手な部分は、たしかにスケールという点ではあまりにも軽くて、他の演奏よりずいぶん小ぢんまりとした印象を受けます。しかし、動きが軽くせわしくなく動き回るところは、響きの薄さと相まって、まるで小さなぜんまい仕掛けのおもちゃのような可愛らしさがあります。冬の一場面に「小人」という題の曲がありますが、まさに小人が演奏しているようにちょこまかと動いています。 メロディーも表情を豊かにつけてたっぷりと歌わせるのではなく、逆にあっさり気味で、歌よりも楽器の音色を表に出しています。 浅めの華やか音色で、ドイツ系の楽器同士で音色をブレンドして一つの大きな響きをつくるとは全く反対の、それぞれの楽器の個性が強く出た音色です。 その個性の強さにより、表情を強く付けて歌わせていなくても、音色の違いによって表情に個性が生まれていて十分に雰囲気は出ています。むしろこれで表情を濃く付けていたらくどくなって聞いていると疲れてしまったでしょう。 ロザンタールは、オーケストラの響きや音色の特性を上手く生かしています。昔の個性が強い大指揮者たちのように音楽を力ずくで自分のほうに引き寄せるのではなく、自然に誘導し、それでいてそれぞれの奏者が勝手な方向に行ってしまうことなくきれいにまとめています。 惜しいのは、少し録音が弱い点です。雑音はほとんどないものの音色があまり鮮明ではありません。音色をぜひ聴きたい演奏だけに残念なところです。モノラルなのは時代からしてしょうがないのですが、1950年代の録音としては他にマーキュリーやデッカの録音があるだけに、もうちょっとなんとかなるのではないかと思いました。(2007/8/4) |